1.緒言
国民的人気アニメ『プリキュア』シリーズは2023年で20作目を迎える。プリキュアとは、肉弾戦主体のアクションと、友情やヒーロー物としての周囲の人間関係の過程や成長を描く事に重きを置いた作劇が特徴であり、ジャンルとしては女児向け変身 (ヒーロー)・アクションアニメに類するものである[1]。そのため、ファンの間ではプリキュアの強さについての議論がしばしば交わされ、歴代プリキュアの強さキャラランキングなども作られている[2]。
しかし、このようなプリキュア強さキャラランクは、シリーズの垣根を超えており、シリーズによって戦う相手も異なっていることから、プリキュア同士で比較することは適切ではないと考えられる。一方、現在放送されているシリーズ第19作目『デリシャスパーティ♡プリキュア』では、プリキュア以外の戦闘員も数多く出演しており、1シリーズの作品内部でプリキュアの強さについて俯瞰的に議論をすることができる。そこで、本研究ではプリキュアの強さを明らかにすることを目的として、「デリシャスパーティ♡プリキュア」作品内部において、総合的な面を評価して強さキャラランクの作成を行い、その結果について述べる。
2.解析方法
デリシャスパーティ♡プリキュア(以下デパプリ)では、自身の戦闘力が高くなくとも、特殊能力を行使し、戦いに貢献する描写がなされている。また、鬼滅大学の煉獄教授郎は「強さというものは肉体に対してのみ使うものではない」と述べており[3]、純粋な戦闘力の高さのみでキャラクターの強さを評価することは適切でないと考えられる。そこで、強さキャラランク作成についての評価基準は以下の1〜4とした。
1.戦闘力の高さ
2.サポート能力
3.特殊能力
4.メンタルの強さ
3.結果および考察
Table.1 The tier list of Delicious party precure.
表1に、今回の解析によって得られたデパプリ強さキャラランク表を示す。
以下、個別解説を行う。
〜SSSランク〜
・和実よね
Fig.1 God of Oisiina Town.
主人公和実ゆいの祖母であり、おいしーなタウンの支配者。この作品のナレーションも務めており、まさにデパプリ世界の"神"である。
今や故人であるが、その脅威のカリスマ性により、在命時もおいしーなタウン全体から圧倒的支持を受けていることが判明している。また(空腹のため)街で倒れていたクッキングダム最強キャラジンジャーの窮地を救った過去もあり、ジンジャーより格上の存在であることは明白だろう。
前述したが、死後は消滅せずに神となっている。そのため、世界中で料理が消えてしまう事態に対しても「みんな、突然のことで戸惑ってるわねw」と余裕の見物をしており、明らかに只者ではないことが読み取れる。
また、言霊による現世キャラへのサポート能力は随一の性能を誇っている。ゆい達が何か壁にぶつかった時には必ず道標として、言葉が背中を押してくれる。
神なので文句なしのSSSランク。
〜Sランク〜
・ゴーダッツ
Fig.2 End boss of Delicious party precure.
今作のラスボス。自分より優秀(だと思われる)弟弟子の才能に嫉妬しており、師匠ジンジャーから後継者として完全に認められなかったという理由で闇堕ちしたらしい。そんな闇堕ちの動機としては弱すぎる割に、世界中の料理を奪う行為にまで至っている。図2からも分かる通り、とにかく必死である。何が彼をそこまで突き動かしているのか分からないが、精神面の図太さは一周回ってずば抜けていると評価して Sランク。
しかし、王国の近衛隊長だけあって戦闘能力は普通に高い。得意技は死んだフリからの不意打ちであり、ブラックペッパーに対して再起不能の致命傷を与えている。また、キュアプレシャス特攻も持ち合わせており、彼女のメンタル破壊に唯一成功した猛者である。
・ジンジャー
Fig.3 Fan of Jibanyan.
ジバニャンのオタクみたいな格好をしている変質者。しかし、クッキングダムの重鎮ローズマリー・シナモン・フェンネルの3人の師匠であることから凄い人物であるようだ。
純粋な戦闘力の高さは不明だが、記憶封印・未来の予言・ほかほかハート集積装置の作製など特殊能力を異常に使用できることを評価して Sランク。実際、最終決戦では彼が過去で仕込んでいた装置が逆転の一手となった。
〜Aランク〜
・ローズマリー(デリ石持ち)
Fig.4 Super excellent person.
とりあえず場に出して腐らないタイプ。何か色々出来る。デリ石復活後の最終決戦では第一線で戦っており、ラスボスとゴリゴリに格闘しているため、何のアニメを見ているのか忘れてしまうほど。セクレトルーの自爆特攻を受けても余裕があったこと、ゴーダッツとやり合えることから圧倒的な肉体のタフさが見て取れる。
また長い経験から培われた大人としての助言により仲間のメンタルを回復させたり、指揮能力が高く連携プレーも得意であることから非常に評価が高い。味方の中で一番頼れる人物であり、とりあえずこいつの言うことを聞いていれば間違いはない。しかし、あまりの万能っぷりから一部では「マリちゃんの存在がプリキュアの成長を阻害している」と批判の声も上がるほど[4]。デパプリ2期(ない)では間違いなくナーフされるだろう。
・シナモン
Fig.5 Battle scene of Shinamon.
品田拓海の父。品田門平なのでシナモン。ゴーダッツが闇堕ちするきっかけを作ったことから、非常に優秀な人材であったことが予想される。実際ゴーダッツと普通に戦えており、純粋な戦闘力も高いことがわかる。
〜Bランク〜
Fig.6 Middle-aged-man.
ゴーダッツの元の姿。あまりにも描写が少なかったため判断が難しいが、一応王国の近衛隊長を務めているということで優秀である。またシナモンにレシピボン泥棒の冤罪を着せて王国を追放させるなど、知恵が回る部分もあると予想される。ただし、弟弟子シナモンの存在への嫉妬・師匠ジンジャーに完璧に認められていなかったことを考えると、ローズマリーやシナモンよりランクが下がると考えられる。
・セクレトルー
Fig.7 BBA.
ブンドル団のおばさん幹部。完璧主義であり、努力を怠らないタイプであることが読み取れる。フェンネルの手助けもあったかもしれないがクッキングダムにバレずに潜入する事も出来るため、敵幹部としては十分優秀である。しかし、料理が下手であるためBランク。卵ぐらい割れるだろ。
〜Cランク〜
・プリキュア(単体)
Fig.8 JC.
中学生なので実はそんなに強くない。ウバウゾーを浄化できる点は唯一無二の特権となっているが、個人の純粋な戦闘力ではおそらく一般のクッキングファイターとそこまで変わらないこと、メンタル面に関しては標準であること、戦闘以外の特殊能力も特に持ち合わせていないことからCランク。ちなみに4人それぞれについて書こうかとも思ったが、特に差がなさそうだったため一括させてもらった。
ただしプリキュアはチームで動く前提であり、想いの力によって強さが大きく変動するため、ぶっちゃけこのランク付けには意味がない。早くもこのクソ論文の存在意義がなくなってしまった。
・ブラペ
Fig.9 Black pepper, healing precure.
プリキュアと肩を並べて戦っており、かなり戦闘センスが良いと考えられる。ウバウゾーを浄化することが出来ない分、戦闘力はプリキュアよりやや劣る。しかし、ヒーラーとしての役割もこなせることが判明しており、最終決戦ではプリキュアの回復を2度行うなど敵チームにいると非常に厄介なキャラ。もしクッキングファイターとして幼少期から王国で養成されていたらAランク以上に入っていただろう。
・ナルシストルー
Fig.10 Candy apple lover.
男の敵幹部。記憶が曖昧なので間違っていたら申し訳ないが、戦闘力はプリキュアとタイマンで互角程度だった気がする。ただし、セクレトルーにあと一息で始末されるところだったことからCランク。モノづくりが得意らしく、ロボットの家来を作ることが出来るのは評価点。
ブンドル団に入った経緯は、自分に合う食べ物が少なく楽しそうに食事をしている人間が嫌いだったことが判明している。しかし、最終的にはリンゴ飴一つで懐柔されており、逆恨みの意志の弱さはマイナスポイント。
・コメコメ
Fig.11 Energy fairy A.
プリキュア合体技発動のアイテム枠。特筆すべき点は特殊能力であり、ワープ機能が備わっている。このワープにより味方を救出したファインプレーを評価してC ランク。ただし、ワープは自身の体力をゴッソリ使うため連続使用は不可。ちなみに人生で一度限りであるが過去に飛ぶこともできるチートっぷり。妖精なので戦闘力自体は皆無。
〜Dランク〜
・パムパム
Fig.12 Energy fairy B.
かわいいぬ。
・メンメン
Fig.13 Energy fairy C.
火が吹ける。
・セルフィーユ
Fig.14 Incompetent cooking fighter.
見習いクッキングファイター。メンタルが弱い。こいつはモブキャラでありながら成長イベント回があった割に、最終決戦では敵の増産型ロボットにあっさり捕まっており、無能であると判断。
〜Eランク〜
・レシピッピ
Fig.15 Pippi.
毎回奪われる存在。あまりにも無力。ちなみに私のお気に入りはうどんのレシピッピ。
・クッキング
Fig.16 Garbage of cookingdom.
ゴミ。仮にも一国の王であるにも関わらず、偉そうに座っているだけの穀潰し。おそらく世襲制なのだろうが、このような知性の欠片もなさそうな奴に権力を持たせるのは意味が分からない。同じように偉いだけの無能としてはスタートゥインクルプリキュアの12星座のプリンセスなどもいるが、彼女らと違ってこいつはビジュアルも終わっているため救いようがない。今回の騒動、王国の近衛隊長が反乱を起こして世界中の料理を奪った大事件に対する責任を取って、王の座を自ら下りるべきである。
4.結言
プリキュア自体はそこまで万能キャラではないことが明らかになった。しかし、裏を返せば、個々人の能力はそこまで高くないにも関わらず、プリキュア達は最終的に巨敵を倒している。これは、人と人との繋がりや想いの共鳴が大きな力を生み出したからだと考えられる。以上より、このような形でのプリキュアの強さ評価は完全ではない。そのため、想いの力を含めた考察を今後の研究課題とする。
ところで修論の提出が来週なのに何故今こんなものを書いているのか本当に意味が分からない。この記事に費やした時間で修論4000字分ぐらい書けた気がする。
参考文献
[1]Wikipedia
[2]どっかのスレ
[3]吾峠呼世晴, "鬼滅の刃 第8巻", 集英社(2017)
[4]Twitter